吉岡郷継さん

ハチと兵士の像に寄せて 吉岡郷継

日中戦争の最中、高知出身者の鯨部隊の兵士達によって救われ、愛育された猛獣ヒョウの赤ちゃん「ハチ」は後に上野動物園に移されましたが、空襲に備え他の猛獣たちと一緒に毒殺されました。
剥製となって高知に帰って来たハチは、今、高知みらい科学館にいます。
しかし、ハチ一頭だけにしておくことはさびしく、忍びがたく思い、ハチを愛した兵士と一緒の像を戦後80年の節目の年に建てることで、反戦、平和の尊さを後世に伝えるものとしたいと思います。

題字 和泉蒼牛
  • ・昭和18年仁淀川町生まれ
  • ・県展功労者・無鑑査
  • ・毎日書道会審査会員
  • ・高知独立書人団 代表
  • ・記念碑揮毫
  • シェイクハンド龍馬像
  • 廣井勇像 他多数

小さい時、母親に
「友達みんなお父さんがおるのに、どうしてウチには居ないの?」
と詰め寄ると、
お母さんは「これからウチのお父さんよ。」祭壇の白木の箱を指した。
箱の中にはただの石コロ一つ、どこにでも転っているような石コロが。

吉岡郷継さん
思いのこもった「ハチと兵士」の揮毫です。