「ハチと兵士」の像の建立に寄せて(白井 真佐子)
よさこい祭りの余韻を感じながら迎えた8月17日は、残暑とは言い難い厳しい暑さでした。
オーテピア西敷地おまち多目的広場で行われた除幕式。
大野良一先生と吉岡郷継先生が制作された「ハチと兵士」の像は、お互いのぬくもりを確かめ合うかのように優しく寄り添い、その姿に感銘を受けました。
式典には像の建立にお力添え頂いた方々が高知県内外から出席され、土佐女子中学高等学校コーラス部と上町よさこい鳴子連の若い世代の皆さんも歌と踊りで参加、ハチのマスコットキャラクターを創作された高知追手前高校漫画部の生徒さんの姿もありました。
振り返りますと、発起人で像の制作者である吉岡郷継先生から今回のお話を初めてお聞きした時には、あまりの壮大なプロジェクトに大変恐縮いたしました。
今でもこの思いは日々増すばかりです。
「ハチの像を立てる会」会長・田村千賀様をはじめ、会員の皆様、協力者の皆様にはハチの話を広く知ってもらうための活動を沢山して頂きました。
絵本「ヒョウのハチ」の原画展は、金高堂書店・亥角政春様が開催にご尽力くださいました。
原画展では、会員の皆様がご来場の方に原画に沿って丁寧に解説されていました。生前祖父がハチの剥製を前に懸命に語り続けていた姿を思い出し、胸が熱くなりました。
お一人お一人の真心のこもった活動一つ一つに、言葉では言い尽くせないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。
このご縁で元鯨部隊のご家族とお会いする機会もあり、貴重なお話を伺うことができたのも会の皆様のおかげです。
また、桑名龍吾高知市長をはじめ関係各位の皆様にも大変お世話になり、心から感謝申し上げます。
そして、この会に賛同し、全国から募金をしてくださった皆様のご理解とご支援に深く御礼申し上げます。
戦後80年の節目に建立された「ハチと兵士」の像と共に、祖父の遺した平和への願いが後世に語り継がれていくことを願ってやみません。